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研究内容

ツリガネニンジンを訪れるヤガ
植物と昆虫の関係の研究をしています。野外における観察と操作実験によって、花と花粉媒介者の間にある関係を明らかにします。
夜行性ガ類による花粉媒介
夜間に咲き、夜に活動するガ類に花粉媒介される花は少なからず存在します。ガ類に花粉媒介される花は、ガ類の長い口吻に合った細長い筒をもつものが多いです。しかし、ガ類に花粉媒介されるのにも関わらず、細長い花をもたない植物も存在し、私はそうした花に興味を持って研究をしています。例えば、キキョウ科のツリガネニンジンは青色で下向きの釣鐘型の花をもちます(右図)。こうした特徴をもつ花は普通はハナバチの仲間に花粉媒介されますが、ツリガネニンジンはガ類に花粉媒介されます。
<関連論文>
Funamoto D., Ohashi K. (2017) Hidden floral adaptation to nocturnal moths in an apparently
bee-pollinated flower, Adenophora triphylla var. japonica (Campanulaceae). Plant Biology 19: 767–774.
Funamoto D. (2019) Precise sternotribic pollination by settling moths in Adenophora
maximowicziana (Campanulaceae). International Journal of Plant Sciences 180: 200–208.
花で繁殖する昆虫による花粉媒介
多くの花粉媒介者は蜜を吸うために花を訪れます。しかし、一部の花粉媒介者は花を繁殖場所として利用するために訪花します。湿地に生育するショウブがヒゲボソケシキスイという小さな甲虫によって花粉媒介されることを私は明らかにしました(右図)。この甲虫はショウブの花に産卵し、孵化した幼虫は花の組織を食べます。
<関連論文>
Funamoto D., Suzuki T, Sugiura S. (2020) Entomophily in Acorus calamus: implications for brood-site pollination mutualism in basal-most monocots. Ecology 101: e03089.
植食性昆虫の生態
植物を食べる昆虫は非常に多様です。これまで、ゴールに関わる昆虫、イモムシの生態 などの研究をしてきました。
<関連論文>
Funamoto D., Sugiura S. (2017) Fork-tailed caterpillars bite off their anal prolegs to pupate in fallen
branches. Journal of Asia-Pacific Entomology 20: 395–397 .
Funamoto D., Sugiura S. (2017) Arthropods associated with fungal galls: do large gallssupport more
abundant and diverse inhabitants? The Science of Nature – Naturwissenschaften104:6.
船本大智・大橋一晴. (2017) 植食性昆虫における適応放散:機能摂食群の進化的転換のパターンと
メカニズムに着目して. 昆蟲ニューシリーズ 20: 3–18.

ショウブを訪れるヒゲボソケシキスイ
自分の脚を噛み切るイモムシ。ニッコウシャチホコは、非常に長い尾脚をもつ。朽木内で蛹化するため、蛹化の際に邪魔になる尾脚を大顎で切断する。
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